学術講演会
【10/18・11/16・12/3】<対面/オンライン>2025年度グローバル学術交流事業「環大西洋の歴史から読み解くグローバル現代文化 ーブラック・カルチャーからいま何を学ぶのかー」
アフリカから新大陸に強制連行された人々は約1250万人とされ、四世紀にわたる奴隷制度の下で過酷な苦難を経験しました。しかしその中で豊かな文化や思想も数多く生まれました。本事業では、ブラック・カルチャー、とくに英語圏、フランス語圏、ブラジル・ポルトガル語圏の文学に焦点をあて、逆境から生まれる力を見つめ直します。環大西洋の歴史や文学の想像力に学ぶことは、今も続く不平等に向き合い、公正な世界を考える手がかりとなるはずです。
第1回 中間航路の"こちら側"の物語―アフリカ文学が描く環大西洋奴隷貿易
2025年10月18日(土) 13:00~15:30
講師:粟飯原文子氏
(法政大学国際文化学部・教授、アフリカ文学研究者)
現代アフリカ文学では常に歴史の再考と再現が課題であり続けてきましたが、環大西洋奴隷貿易に関しては、直接テーマとして扱われることがほとんどありませんでした。しかし近年、この痛ましい過去をアフリカ大陸の経験として見つめ直そうとする作品が生まれています。本講演では、2010年代に書かれた女性作家による小説に注目し、その歴史的記憶がどのように描かれているかを考察します。
第2回 ナラティヴと時代:ブラジル文学における奴隷制と植民地主義の表象
2025年11月16日(日) 13:00~15:30
講師:イタマール・ヴィエイラ・ジュニオール氏
(Itamar Vieira Junior アフロ・ブラジル人作家、2020年・2024年ジャブチ賞受賞、2024年国際ブッカー賞最終候補)
本講演では、19世紀後半から21世紀初頭のブラジル文学における植民地主義や奴隷制の描かれ方を通じて、その「時代精神」を考察します。かつてこれらのテーマは、しばしばロマンチックまたは悲観的に描かれてきましたが、近年の作品は新たな批判性を備えつつ、歴史的に声を奪われたきた人々が声を取り戻し、自らの歴史やアイデンティティを回復していく、希望を感じさせるものとなっています。
※講演言語:ポルトガル語(日本語同時通訳あり)
第3回 カリブ海文学を日本で読むこと
2025年12月3日(水)14:00~16:30
講師:小野正嗣氏
(早稲田大学文化構想学部・教授、芥川賞作家)※オンライン登壇
フランス語圏カリブ海地域の小説においては奴隷制や人種差別はどのように描かれてきたのでしょうか。奴隷制の負の歴史から生じたこの社会のアイデンティティのあり方を肯定的に捉え直そうとする作家たちの試みに着目し、同時に、こうした文学作品を現代日本社会で読むことにどのような意義や喜びが見出せるのかを考えます。
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※本講座は、対面会場(長久手キャンパス)/オンライン(Zoom)で実施予定です。
※1度の申込みで3回シリーズすべての申込みとなりますが、3回すべてにご参加いただく必要はございません。
※対面とオンラインで迷われている方、もしくは、対面とオンラインが混ざる方は、対面でお申込をお願いします。
事前申し込み | 下記「申し込みをする」ボタンをクリックし、必要な情報を入力してください。 定員:対面120名、オンライン500名 ※定員に達し次第、締め切らせていただきます。 |
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参加費 | 無料 |
開催日 | ①2025年10月18日(土) 13:00~15:30 |
場所 | ■ 対面会場 ■ オンライン(先着500名) |
問い合わせ先 | 愛知県立大学 学術情報部 研究支援・地域連携課 〒480-1198 愛知県長久手市茨ケ廻間1522-3 電 話:0561-76-8843 E-mail:kenkyu[at]bur.aichi-pu.ac.jp([at]を@に変えてお送りください) |
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