准教授

大橋 あすか

オオハシ アスカ

  • 情報科学部
  • 情報科学科

更新日:2025.04.01

テンソル積構造を持つ大規模行列の特異値計算

研究キーワード
テンソル積, 特異値計算, 固有値計算, テンソル

研究シーズの内容

行列の条件数は、数値計算のしやすさを表す指標で、最大特異値/最小特異値で計算できます。また行列の特異値は、データを圧縮する際にも利用できます。このように行列の特異値を求めることは行列の特性を知るためにも重要です。しかし大規模な行列の特異値計算は計算量や所要メモリの観点で困難である場合があります。

この研究により、大規模行列のうちテンソル積構造を持つ行列の特異値を計算量・所要メモリの観点で効率的に計算できます。所要メモリで比較すると、大規模行列の特異値をそのまま計算したとき(従来法)の所要メモリをO(n6)と表すとき、提案法での所要メモリはO(n3)です。従来法ではスーパーコンピュータが必要となる場合でも、提案手法により汎用コンピュータで計算できるまでに所要メモリを削減できます。

研究者からのメッセージ

私はテンソル積構造を持つ行列に関す研究を進めており、研究シーズに示した特異値計算やテンソル積を利用した行列分解に取り組んできました。行列の構造をうまく利用すれば、手軽に計算ができる可能性があります。また数値計算・計算科学の分野では実問題への応用も重要で、応用により研究のさらなる発展にもつながります。