環境中のDNA、RNAによる生物種の解析
- 研究キーワード
- 環境DNA, RNA-Seq, メタゲノム解析

研究シーズの内容
学外の生態系の専門家との共同研究により、環境中のDNA、RNAによる生物種の分析を行っています。池や川の水からDNA、RNAを抽出し、次世代シーケンサーという大量に遺伝子配列を読む装置を用いて、微生物から動物まで、環境中に生息する生物の網羅的解析を行っています。
これまでの研究で、保全活動が行われている湧水地の環境DNAの調査を行い、絶滅危惧種や特定外来生物種を含めた生物種についての解析結果が得られました(左表)。環境DNAによる生物種の解析手法は、目視や捕獲が難しい生物種の検出も可能であり、生態系保全のためのサーベイランスへの活用が期待されます。
引き続き、生息する生物種と、その環境中の微生物叢についての解析を進めています。
研究者からのメッセージ
専門は病理学です。診断に携わった感染症症例の経験から人獣共通感染症に興味を持ち、生態系の専門家と共同研究を開始しました。この間、COVID-19のパンデミックがあり、収束はしましたが、この感染症がなくなったわけではありません。人類は今後もパンデミックをひき起こす感染症に備える必要があります。環境や生態系といった広い視野から、感染症や人間の健康を考えていくことの重要性を考え直しています。