昔話を中心にした東アジアの「読みもの」探究
- 研究キーワード
- 国語教育, 児童文学, 昔話・民話, 児童文化財

研究シーズの内容
昔話は長い長い年月をかけて、人々の語りや書物を介して、現代まで語り、読み継がれています。その中でも、教科書・読本で、昔話がどのように教材化され、時代によってその中身が変化しているのかを中心に研究を進めています。特に植民地期朝鮮で使用された読本における昔話教材が現代の絵本や小学校国語教科書にどのような影響を与えているのか、「三年とうげ」や「うさぎの裁判」といったお話について掘り下げて検討しています。
昔話に関する研究活動としては他にも、季節に沿った昔話紹介をコラム連載したり、市民向け講座にて、「カチカチ山」絵本のマイルド化を解説しております。
また、昔話に限らず絵本や教科書教材などの「読み物」に関する探究も進めており、言語的マイノリティに関する絵本や、戦争と平和に関する小学校国語教科書教材についても取り上げています。
研究者からのメッセージ
昔話は、「人々の様々な営み」を捉え、文化や社会の変化を見取る、重要な口承文芸の一つであると考えています。研究対象としてだけではなく、昔話は読み聞かせや児童文化財を介して子ども達がお話の世界を楽しむ一つのツールともなっています。地域の皆様と、昔話や、絵本や教材などの読み物について、一緒に考えたり、お話していければ幸甚に存じます。