愛知・東海地域における歴史文化遺産の探究
- 研究キーワード
- 史学, 日本史, 中世史, 地域史, 民衆史, 仏教史

研究シーズの内容
日本史、特に中世(平安時代後期、鎌倉時代、室町・戦国時代)の歴史について、地域史や民衆生活史に重点を置いて研究しています。世界史のなかの日本中世民衆生活史という視野で、愛知・東海地域の歴史を探っています。
その場合、古文書や古記録といった史料に基づいて、歴史上におけるナマの声を探るよう努めています。『愛知県史』『瀬戸市史』『三重県史』『亀山市史』などの編纂に携わってきました。地元にはほかにも自治体史がとても充実しています。それらをじっくり活用することが大事です。また、寺院などで調査することも必要で、愛知ないし東海地域の豊かな文化遺産をさらに見出そうとしています(左下写真は学生との古文書調査)。
専門書として『東アジア世界における日本中世仏教』(2012年) などがありますが、上に挙げた自治体史のほか、 『国境の歴史文化』 ( 編著、2012年) が直接関係します。
研究者からのメッセージ
地域の民衆生活史には、先人たちが苦闘の歩みの中で見出してきた、生きる希望とその継承・発展を後世に託す思いとが含まれています。それらを埋没させず、しっかり聞き取る必要があります。歴史を考えることは地道かつ主体的な知的創造活動です。それは趣味や懐古ではなく、人間存在の本質的な理由をヒューマンな見地から探究する営みです。身近な歴史にそれらを実感することは、私たちの未来を理想に近づける第一歩でしょう。