准教授

袁 暁今

エン ギョウキン

  • 外国語学部
  • 中国学科

更新日:2025.04.01

三字名詞の日中対照研究

研究キーワード
語構成論, 語構造, クオリア構造, 三字名詞, 日中対照研究

研究シーズの内容

現代中国語の「語構成論」「語彙意味論」、中でも「三字名詞」が主な研究分野である。

中国語の三字名詞の語構造と意味構造の規則性について、言語使用者の認識度を測定するため、三字語の命名実験を行い、これを分析した。一方、日本語にも三字名詞は多数あり、語彙意味における日中両言語の類型を見るため、今後、日本語においても、三字語の命名実験を行いたい。これらの実験結果から、同じ指示物に対し、中国語と日本語との間での「クオリア構造」の異同を対照したい。

「クオリア構造」は名詞分析に有力な考え方である。複合名詞の修飾部は中心部の「クオリア構造(その名詞を説明する四つの性質)」のどの性質を特定しているかを考察することで、その名詞の意味構造を解明できる。例えば、「瓦煎餅」「海老煎餅」「鹿煎餅」「揚げ煎餅」においては、修飾部の「瓦」「海老」「鹿」「揚げ」はそれぞれ、中心部「煎餅」の「形式(外観)」「構成(主原料)」「目的(餌)」「由来(製法)」という四つの性質を特定していると言える。

研究者からのメッセージ

現代中国語学においては、「語」の研究は「文」の研究ほど盛んではない。「名詞」研究もほかの品詞に比べ、乏しいといえる。また、「三字語」研究については、中国では「対を良しとし、偶を尊ぶ」という通り、「二字語」研究ほど重視されていない。

しかし、近年、新語をはじめ、三字語の台頭が顕著に見られ、その重要性は増している。この研究分野を今後、さらに深化させるべく、「三字名詞」研究に注力したい。