活気ある研究への取組

2019年度「グローバル学術交流」公開講演会2

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      講師

    • 岡本充弘氏(東洋大学名誉教授・東洋大学人間科学総合研究所客員研究員)

 歴史にはさまざまな種類があります。色々な分類が可能で、なかでもわかりやすいのは、「学問的な歴史」と「一般的な歴史」というようなわけ方です。英語では、'History in Academia'と'History in Public Space'と最近では区別されます。今日のタイトルにあるパブリックヒストリーは、後者のような歴史を指します。この言葉は、もともとはアメリカで1970年代末頃から、学問的な歴史を博物館、文書館、遺跡・遺物をとおして一般の人々にどのように伝えていくのかという関心から生じました。しかし、一般の人々に歴史が伝えられる方法は、博物館、文書館、遺跡・遺物、さらにはもっともなじみのある学校教育(歴史教科書)をとおしてだけではありません。現在では歴史はマスカルチャー、サブカルチャーというような媒体、テレビ、映画、テレビ、そして歴史小説、マンガやゲーム、さらにはウェブ空間をとおして伝えられています。またこうした媒体が存在していなかった過去の時代では、歴史は口承的なもの、習俗、習慣、記憶や身体的経験などによって伝えられていました。こうした幅広い場における、幅広い内容を含むものとして存在している歴史を考えるためにパブリックヒストリーという言葉は現在使用されています。  今回の講義は、このようなパブリックヒストリーが現在なぜ大きな関心を集めるようになっているのかを、説明します。結論的なことを先に言うと、パブリックヒストリーへの関心は、グローバルヒストリーへの関心が生じたのとほぼ同じ時期に生じました。グローバリゼーションといわれる世界の変化の中で、人々の対社会的なあり方が変化したことがその大きな要因となりました。今回の講義では、ほぼ同時期に関心を拡大させてきたパブリックヒストリーとグローバルヒストリーの現在のあり方を説明することをとおして、グローバリゼーションの時代における私たちと歴史の関係を説明していきます。

  • 日時

2019年12月4日(水)13:00~14:30

会場

長久手キャンパスK棟小ホール

報告書(PDFが開きます)

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