講師

籠 玲子

カゴ レイコ

  • 看護学部
  • 看護学科

更新日:2025.05.28

看護基礎教育の看護倫理教育の内容の検討-看護学生のモラルレジリエンスに着目して―

研究キーワード
看護学生,レジリエンス,倫理教育,徳の倫理,看護師―患者関係

研究シーズの内容

看護職は、人々の生涯にわたる健康な生活の実現に貢献することを使命としています。看護職は、援助対象者のニーズに応じたよりよい援助を行うことを目指し患者と関わりますが、組織や場や状況などの制約により、看護職自身がよいと思うことを遂行できないことがあります。このとき、看護職は、道徳的苦悩と呼ばれるつらい気持ちを抱くことがあります。レジリエンスとは、人が逆境や困難などに直面した時に、それに適応する過程や力のことです。モラルレジリエンスは、道徳的苦悩に直面した看護師が、看護師自身の苦悩に挫けずに自らを保ち、看護師自身の成長につなげていく可能性をもつものです。看護専門職となる教育を受けている看護学生として学ぶ中でも、育むことができるモラルレジリエンスは何かを探索するとともに、教育で活かしていきたいと考えています。教育の場を、看護職が直面することに対応できるよう準備を育む場として、取り組めることを研究として探求し、看護職のウェルビーイングをまもることにつなげていきたいと考えています。

研究者からのメッセージ

私はこれまで、若手看護師の看護師の患者とのよい関係の構築について、看護師の視点からの研究を行っておりました。熟練した看護師の活躍はもちろんすばらしいのですが、若手看護師の段階でも対象者にとってよりよい看護を目指し、看護師自身が患者とよい関係を構築できた経験をもって、看護師自身のやりがいや成長につなげていことが描かれました。しかし、若手看護師は自らが行うことに自信をもつことが難しいときもあり、周囲の支援が大切と考えます。学生から専門職へ移行する中で、教育の場と臨床の場がともに看護職の成長を見守ることができることは、看護職のウェルビーイングにとって大切と考えています。病院の場での新人看護師や若手看護師の支援についても、教育・研究から役立てることができたらと考えています。

専門分野

基礎看護学、看護倫理

授業の内容と特長

学部で「看護倫理と理論」の授業の責任者として、看護倫理の講義を担当しています。看護を行うみちしるべとなる倫理の知識を学ぶとともに、授業に参加する学生が、自分とは異なる価値観を知ること、人の話に耳を傾けること、自ら考えることを、授業の中で経験してほしいと思い授業に取り組んでいます。

研究者になるきっかけは?

巡り合わせです。

学生や高校生にひとこと!

楽しみ、学び、ゆとりも忘れずに。