術後せん妄症状看護の質指標の構築
- 研究キーワード
- 術後せん妄, 閾値下せん妄, 看護介入, 質指標, 睡眠障害

研究シーズの内容
せん妄は軽度の注意障害と意識レベルの低下が主な症状で、非常に強いねぼけのような状態です。70歳以上の高齢者に発症しやすく、手術や全身麻酔、薬剤などの身体的な要因で起きます。また子供の場合、インフルエンザによる高熱で発症することもあります。
せん妄は一時的に発症するもので、その後多くの方が元の状態へと回復しますが、せん妄が遷延化した場合、その後に認知症を発症するリスクを高めます。したがって、せん妄自体の発症を回避する手立てを確立することが重要な課題となっています。これまで取り組んできた課題は次の内容です。
- 術後せん妄の前駆症状を観察するツールの開発
- 高照度光療法を用いた術後せん妄発症回避手法の効果
- 閾値下せん妄から捉えたせん妄ケア構築に関する研究
- “せん妄からの回復” を支援する看護師の臨床知
研究者からのメッセージ
これまでは臨床現場を中心に、患者様にご協力をいただきながら、せん妄ケアの構築を進めてきました。現在は、手術を受ける患者様とご家族へ向けた、“術後せん妄” に関するパンフレット(写真) を作成しています。せん妄は認知症と同じく、身近にある症状です。最終的には、一般の方にも“せん妄” について知って頂く取り組みをしていきたいと考えています。(パンフレットの内容はJSPS 科研費 JP22792199、JP26463320 の助成を受けたものです)