教授

久田 由佳子

ヒサダ ユカコ

  • 外国語学部
  • 英米学科

更新日:2025.04.01

アメリカ社会の諸問題に関わる歴史的事象

研究キーワード
史学, 西洋史, アメリカ史

研究シーズの内容

19 世紀前半のアメリカ北東部、特にニューイングランドと呼ばれる地域を中心に、労働史、家族史、ジェンダー史、人種問題および政治に関わる研究をしています。具体的には、アメリカで最初に水力力織機が導入された綿工場で働いた女性労働者の労働・生活・余暇に関する実証的研究、南部の奴隷制に基づく綿花栽培に依存しながらも、なぜ北部綿工業都市において奴隷制反対運動が盛んになったのかについての研究や、当時参政権を持たない女性たちがおこなった政治的行動に関する研究などです。

他方、共同研究では、史跡・記念碑・歴史記念事業に関する研究をおこなっています。植民地時代、現在のマサチューセッツ州セイラム近郊にあたる地域でおこった魔女裁判(1692 年)をめぐる顕彰行為と地域アイデンティティに関する研究、ニューヨークにおける奴隷制の歴史と埋蔵文化財保存問題に関する研究、アメリカ史におけるボストン茶会事件の位置づけをめぐる研究などがあげられます。

研究者からのメッセージ

トランプ政権下で南部連合軍を顕彰する銅像の撤去問題が死者を出す暴動に発展し、さらにバイデン政権への移行の際にも白人至上主義が顕著となりました。これは、南北戦争が、150周年を過ぎてもなお、アメリカ社会を二分するほどの影響を与えていることを示唆しています。歴史を学ぶことによって、現代社会の側面が見えてくると私は考えています。