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  • 2019年度愛知県立大学「グローバル学術交流」公開講演会(12/4)

学術講演会

12/4(水)「グローバル学術交流」公開講演会

パブリックヒストリーから見たグローバルヒストリー

この講演は終了いたしました

愛知県立大学の教養教育科目「グローバル学術交流」では、

以下のとおり公開講演会を開催します。

この講演会は、どなたでも聴講いただけますので、ぜひお越しください。

パブリックヒストリーから見たグローバルヒストリー

講師:岡本充弘氏

(東洋大学名誉教授・東洋大学人間科学総合研究所客員研究員)

概要

 歴史にはさまざまな種類があります。色々な分類が可能で、なかでもわかりやすいのは、「学問的な歴史」「一般的な歴史」というようなわけ方です。英語では、'History in Academia''History in Public Space'と最近では区別されます。今日のタイトルにあるパブリックヒストリーは、後者のような歴史を指します。この言葉は、もともとはアメリカで1970年代末頃から、学問的な歴史を博物館、文書館、遺跡・遺物をとおして一般の人々にどのように伝えていくのかという関心から生じました。しかし、一般の人々に歴史が伝えられる方法は、博物館、文書館、遺跡・遺物、さらにはもっともなじみのある学校教育(歴史教科書)をとおしてだけではありません。現在では歴史はマスカルチャー、サブカルチャーというような媒体、テレビ、映画、テレビ、そして歴史小説、マンガやゲーム、さらにはウェブ空間をとおして伝えられています。またこうした媒体が存在していなかった過去の時代では、歴史は口承的なもの、習俗、習慣、記憶や身体的経験などによって伝えられていました。こうした幅広い場における、幅広い内容を含むものとして存在している歴史を考えるためにパブリックヒストリーという言葉は現在使用されています。

 今回の講義は、このようなパブリックヒストリーが現在なぜ大きな関心を集めるようになっているのかを、説明します。結論的なことを先に言うと、パブリックヒストリーへの関心は、グローバルヒストリーへの関心が生じたのとほぼ同じ時期に生じました。グローバリゼーションといわれる世界の変化の中で、人々の対社会的なあり方が変化したことがその大きな要因となりました。今回の講義では、ほぼ同時期に関心を拡大させてきたパブリックヒストリーとグローバルヒストリーの現在のあり方を説明することをとおして、グローバリゼーションの時代における私たちと歴史の関係を説明していきます。

参考文献

岡本充弘『開かれた歴史へ-脱構築のかなたにあるもの』(御茶の水書房、2013年)
岡本充弘『過去と歴史-「国家」と「近代」を遠く離れて』(御茶の水書房、2018年)
岡本充弘・鹿島徹・長谷川貴彦・渡邉賢一郎編『歴史を射つ-言語論的転回・文化史・パブリックヒストリー・ナショナルヒストリー』(御茶の水書房、2013年)
ヘイドン・ホワイト対談〈聞き手、エヴァ・ドマンスカ〉、岡本充弘訳「ヘイドン・ホワイトに聞く」『思想』1036号〈2010年〉46-72頁
ピーター・バーク著、岡本充弘訳「文化史の強みと弱み」『思想』1074号〈2012年〉36-53頁

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こちらもご覧ください。

公開講演会:11/13(水)講師:遠藤泰生氏
太平洋の「かたち」を測る:19 世紀アメリカ合衆国における水界地理学の歴史

事前申し込み

必要(先着順)50名

(2019年12月2日(月)15:00必着)

参加費

無料

開催日

2019年12月4日(水)13:00~14:30(予定)

受付開始時刻

12:30(予定)

場所

愛知県立大学長久手キャンパスK棟2階小ホール
※会場を変更しました。ご注意ください。

交通アクセス

リニモ(東部丘陵線)

「愛・地球博記念公園駅」下車 徒歩3分

講師

岡本充弘氏

(東洋大学名誉教授・東洋大学人間科学総合研究所客員研究員)

問い合わせ先

愛知県立大学 学術情報部

研究支援・地域連携課

電話:0561-76-8843(電話での申込みはできません)

メール:kenkyu@bur.aichi-pu.ac.jp